受験算数アーカイブス

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過不足算の解法



過不足算とは「ある人数である個数のものを分けたときに余ったり足りなかったりする」問題です.「余り」と「不足」をうまく処理するのがポイントとなってきます.



では具体的な問題を見てみましょう.


問題1:何人かの子どもにあめを配ります.1人に4個ずつ配ると29個余り,1人に6個ずつ配ると5個足りません.子どもは何人いますか.また,あめは何個ありますか

過不足算は線分図を描くことで問題の状態がわかりやすくなります.とは言うものの,子どもの人数もあめの数も分からないのにどうやって描くの??という疑問がわいてきますが,過不足算における線分図の描き方のポイントは「最初にあめの長さをはっきり決めておく」ことです.



子どもの人数を①とすると線分図は次のように描けます.



ここで,「最初にあめの長さをはっきり決めておいた」効果が現れます.小学生にとって,余りや不足を④や⑥の内側に描いたらよいのか,それとも外側に描いたらよいのかといった判断は(正負の概念を知らないため)かなり難しいことです.そこで,あらかじめあめの長さを決めておくことで,「あめが余るということは④ではあめの長さに足りない」,「あめが足りないということは⑥ではあめの長さを越えてしまう」ことが感覚的に分かりやすくなるのです.


このように線分図が正しく描けるかどうかが過不足算最大のポイントです.正しく線分図が描ければ過不足算はもう解けたも同然です.あとは差に注目して計算を進めるだけです.


②=34なので,

①=17つまり,子どもの人数は17人と求まります.


また,あめの数は,

17×4+29=97個となります.



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