食塩水と消去算
ここでは食塩水の問題の応用編として,消去算を用いるパターンの確認をしてみましょう.
では問題です.
さっそくビーカー図あるいは面積図を描きたいところですが,このままでは情報が不足していてうまく描けません.
この問題ではA,Bの混ぜる割合が比でしか表されていないため,図が描けないわけですが,具体的な量で考えるとうまくゆきます.
つまり「AとBを2:3で混ぜる」というのを「AとBを200gと300g混ぜる」とすると考えやすくなるわけです.
同様に「AとBを3:2で混ぜる」というのを「AとBを300gと200g混ぜる」としてビーカー図を描いてみます.
しかし,この図ではA,Bそれぞれの食塩水の量が異なっているためうまく処理できません.この問題ではAの濃度が知りたいわけですから,「消去算の基本」で確認したとおり,「Bにそろえて消す」ことを考えます.
Bを何gにそろえるかはどう考えてもよいですが,ここでは200gと300gの最小公倍数で600gにそろえることにします.
ここで上下の食塩の差をとると,最終的に180-160=20gであることがわかります.今Bは同じ量にそろえているので,この20gの差はAで生じていることになります.
Aの食塩水の差は900-400=500gなので,Aの食塩水500gに食塩20gが含まれていることがわかります.
よってAの濃度は,
20÷500×100=4% となります.
文章題でも述べたように,「和差算」や「消去算」などの問題は色々な場面で複合問題として出題されます.今回は消去算と食塩水を複合した問題を取り上げました.ただ,「この問題は消去算が複合されてる」と気付くこと自体には大した意味はありません.大切なのは,どういう手法で解答にたどり着けるかを考えたときに「消去算」や「和差算」などの『考え方の引き出し』を素早く開けることができるようにしておくことなのです.