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売買算の演習2(線分図と比)



売買に関する問題は「」をよく理解していないと解けない問題が多いです.ここではそんな中でも「比」の理解に加え「線分図」を利用する必要のある問題と,「量を仮定する」ことでうまく解ける問題を取り上げてみます.



問題1:ある商品の原価が10%値上がりしたので1個あたりの利益が変わらないように,売値を6%値上げしました.利益ははじめの売値の何%ですか.

原材料の高騰・・・これは実社会でもよくあることですね.


この問題では原価と売値が変化しているので,まずはこれを比で表わしてみましょう.

値上がり前後の原価の比は
 100:(100+10)=100:110=10:11

値上げ前後の売値の比は
 100:(100+6)=100:106=50:53


原価と売値を混同しないために原価を,売値をとして線分図を描いてみます.

線分図を描くときのポイントは「利益は変わらない」というところです.「和差算の演習」でも紹介しましたが,変わらない量は線分図の左側にそろえて描くことが重要です.


線分図の差に注目すると・・・


これより,であることがわかります.問題は「はじめの売値の何%か」を聞いているので,線分図をにそろえてみます.

これで線分図はすべてで描くことができます.

よって利益は,

です.

以上のことから答えは,

20÷50×100=40%と求められます.



このように,売買に関する問題では比の知識だけでなく和差算の知識も必要となることがあります.ということは,売買の問題はそれだけ応用範囲が広いということでもあるのです.



問題2:ある動物園の入場料は600円でしたが,値下げしたところ,入場者はいつもの数の半分だけ増え,収入もいつもの25%増しになりました.入場料はいくら値下げしましたか.

値下げをしてお客さんを呼び込むというのはよくあることですが,どれくらい値下げするかによっては,お客さんが増えても収入は減ってしまう,ということもあり得ます(そこが商売の難しいところです).


さて,この問題でははじめの入場料の金額はわかっていますが,入場者の人数がわからないのでこのままでは答えにたどり着けなさそうです.

こういうときは入場者数を「勝手に決めてしまえば」いいのです.え?勝手に決めると答えが違ってくるのでは?と思うかもしれませんが,問題に書かれている「比」をちゃんと守れば同じ答えにたどり着けます(逆に言うと,比しか書いていないということは人数は勝手に決めてよい,ということでもあります).


では最初の入場者数を勝手に決めることにします.何人にしましょうか?

ここで「359人」とか中途半端な数にすると後で計算がややこしくなってしまうことは目に見えています.ここはキリよく「100人」としておきましょう.


人数がきまったので,収入を計算することができます.

いつもの収入は,

600×100=60000円 となります.


値下げ後の入場者数は半分だけ増えた,つまり50%増えたので

100×(1+0.5)=150人 です.


収入はいつもの25%増えたので,

60000×(1+0.25)=75000円 となります.


この75000円の収入は150人の入場者によって得られた金額です.つまり,1人あたりの入場料は,

75000÷150=500円 です.


はじめの入場料は600円でしたから,値下げ金額は,

600−500=100円 であることがわかるのです.



この問題では「入場者数」だけが分からないので「勝手に決める」ことで解答することができました.しかし,問題1のように原価も売値もわからないという場合などには勝手に値段を決めても泥沼にはまり込む恐れがあります.
つまり,勝手に決めてよいシチュエーションそのものは勝手には作れないので,その点には注意する必要があります.



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