受験算数アーカイブス

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倍数の見分け方



算数の問題においては与えられた数字が何の倍数であるかを見分けないといけない場面が多々あります(分数の約分など).2の倍数や3の倍数の見分け方は簡単ですが,その他の倍数の見分け方も一度確認しておきましょう.


2の倍数の見分け方


2の倍数(偶数)の見分け方は簡単です.『一の位が偶数』であれば2の倍数です.


3の倍数の見分け方


3の倍数の見分け方も必須知識です.『各位の数字の和が3の倍数』であれば3の倍数です.

一応確認しておきましょう.

例えば「123」でしたら,まず1+2+3=6という計算をします.6は3で割り切れるので123は3の倍数です.


4の倍数の見分け方


下二桁が4の倍数』であれば4の倍数になります.例えば「1524」は下二桁の「24」が4で割り切れるので4の倍数です.


5の倍数の見分け方 


一の位が0か5』であれば5の倍数になります.これも常識です.


6の倍数の見分け方


6の倍数は「2の倍数かつ3の倍数」です.つまり,『一の位が偶数で,各位の和が3の倍数』なら6の倍数になります.


7の倍数の見分け方


7の倍数の見分け方は覚える必要はありません.むやみに覚えようとするよりは単純に7で割って確かめた方が確実です.

ちなみに7の倍数の判別の仕方は次の通りです.ここでは例として「7756144935」で考えてみます.


まず一の位から3桁ごとに区切ります.


756144935


この3つの数のグループに右から順に1,2,3,・・・と番号を振ります.


756144935

④  ③   ②   ①


そして奇数番目のグループの数を足し算,偶数番目のグループの数も足し算します.


奇数番目の和・・・935+756=1691
偶数番目の和・・・144+7=151


求めた和の大きい方から小さい方を引き算します.


1691-151=1540


引き算した答えが7で割り切れれば最初の数は7の倍数です.


1540÷7=220 ←割り切れた.よって7756144935は7の倍数.


このように非常に手間がかかるのでまったく実用的ではありません.

他にも三桁の数であれば『一の位の2倍の数と上二桁の数との差が0か7の倍数』とか『百の位の2倍の数と下二桁の数の和が7の倍数』という判別方法もありますがこちらも実用的とは言えません(三桁の数なら単純に7で割り算しても大した手間ではないですし…).


8の倍数の見分け方


下三桁が8の倍数』であれば8の倍数です.覚えていても損ではありませんが,必須知識というほどではありません.


9の倍数の見分け方


9の倍数の見分け方は3の倍数と似ています.すなわち,『各位の数字の和が9の倍数』であれば9の倍数です.これは覚えておいた方が良いでしょう.




以上をまとまると,

  • 2,3,5,9の倍数の見分け方は必須.4の倍数もできれば覚えておきたい
  • 6の倍数は2の倍数かつ3の倍数なので,あえて「6の倍数の見分け方」を覚えるほどでもない
  • 8の倍数の見分け方は必須というほどでもない
  • 7の倍数の見分け方は覚えなくて良い(地道に計算)

という感じになります(アバウトですが…).


ちなみにこれらの倍数が上記のような計算で判別できることの証明は中学受験算数の範囲を超えてしまいます.ただ,証明自体はさほど難しいことではないので,折を見て紹介したいと思います.



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