『平均』の計算に注意!
「平均」を求める・・・受験算数においてはよくある計算ですが,間違った計算をしていませんか?ここでは「平均」の計算について確認しておきましょう.
このような問題を見たらなんと解答するでしょうか.
(50+60)÷2=55点!
と計算してしまいそうですが,答えは×です.
“たして2で割るのが平均”と思い込んでいると上のようなミスをしがちです.
では上の計算のどこが間違っているのでしょうか?
そうです!この計算はいつのまにか「男子と女子の人数が同じである」ことを前提としてしまっています.問題文には男子と女子の人数が書いてありませんから,この問題からクラスの平均点を求めることはできないのです.
正しく平均を求めたければ面積図を描くのが確実です.
先の問題で男子と女子の人数の比が「2:3」であることがわかっていた場合,面積図は次のようになります.

面積の合計は
50×②+60×③=
よって平均は
÷(②+③)=56点となります.

この問題が次のような形であった場合はどうしましょう??
面積図を描くと次の通りです.

この場合は『比』を活用します.
いま,斜線のついた二つの長方形の横の長さの比は2:3です.
二つの長方形の面積は等しいので,縦の長さの比は横の比の逆比,すなわち3:2となります.
※なお,逆比については次のページも参考にしてください.
これを面積図に記入すると次のようになります.

面積図より,
=4点なので
=2点,
=2×3=6点
よって,クラスの平均点は,
50+6=56点と求められます.
上のような問題以外にも『平均』の考え方はいろいろな場面に登場します.例えば「速さ」の分野での平均については次のページを参考にしてください.