四則混合計算
四則混合計算は算数に取り組む上での基本中の基本です.中学入試問題ではほとんどの学校で必ずと言ってよいほど計算問題が出題されます.1点を争う入試において,計算問題での失点は致命傷になりかねません.しかし計算問題にあまり時間を費やしていては他の文章題に取り組む時間が少なくなってしまいます.つまり計算問題は「短時間で」「ミスなく」解くことが重要となるわけです.
計算問題での失点の理由は2つ考えられます.それは「計算ミス」と「計算の順番まちがい」です.
「計算ミス」とは,例えば「10÷2を8と計算してしまった」という類のミスです.これは普段からの鍛錬である程度防げますが,100%完全に防止することはまず無理です.そもそも人間は本来的にミスをする生き物ですし,まして入試という緊張状態の中ではミスをするなという方が無理な話です.なのでこの類の計算ミスは「見直し」をすることで防ぐのが良い方法です.具体的には「試験終了間際の5分間は問題を解き進めるのをやめて計算問題の見直しにあてる」などです.
もうひとつの「計算の順番まちがい」ですが,これは計算の順番のつけ方をあいまいにしか理解していない場合に起こってしまいます.しかしこのまちがいは正しい理解さえあれば防ぐことができます.
そこでこのページではそのような「計算の順番」についておさらいしておきましょう.
計算の基本は3つ.『前から』『×÷から』『カッコから』
四則混合計算の基本は次の3つです.
- 基本的に前から順に計算する
- 掛け算と割り算は足し算と引き算より先に計算する
- カッコがあれば先にカッコ内を計算する
以上の3点をよく頭に入れた上で,具体的な計算の順番のつけ方を見てみましょう.
具体的な計算の順番のつけ方
計算は基本的に前から順に計算します.例えば『1+2+3-4』であれば,
このような順番となります.(このように「+」や「-」の記号の下に計算の順番を書き込むようにすると分かりやすくなります)
つまり,計算としては,
① 1+2=3
② 3+3=6
③ 6-4=2
となり,答えは『2』ということになります.
掛け算や割り算がある場合は先に計算します.例えば『5+2×4-1』であれば,
このような順番になります.基本的に前から計算するのですが,掛け算があるのでそこは先に計算する,という具合です.
計算としては,
① 2×4=8
② 5+8=13
③ 13-1=12
となり,答えは『12』ということになります.
カッコがある場合も先に計算しなくてはいけません.『30÷(4+2×3)』であれば,
このような順番になります.基本的に前から計算したいのですが,カッコがあるのでカッコ内を先に計算する.カッコ内も基本的に前から順に計算しますが掛け算があるのでそこは先に計算する,という具合です.
計算としては,
① 2×3=6
② 4+6=10
③ 30÷10=3
となり,答えは『3』ということになります.
以上が計算の順番のつけ方の基本です.次にもう少し複雑な例を見てみましょう.
カッコが何重にもなっていますが,考え方は同じです.前から順に計算したいところですが[大カッコ]があるのでそこを先に計算する.大カッコの中には{中カッコ}があるのでそこを先に計算する.中カッコの中には(カッコ)があるのでそこを先に計算するという具合です.
順番としては,
このようになります.(答えは『13』)
この例ではカッコが二回登場しますので「基本的に前から計算する」という原則が重要となってきます.
計算の順番は次のようになります.
前から順に計算しようとしたがカッコがあるので①の計算を先にする.前から順に計算するので次に②の計算をする.次に2回目のカッコが登場するのでその中を先に計算する.カッコ内の計算が終わるとまた前から順に計算したいところだが割り算があるので⑤を先に計算する.最後に足し算⑥を計算する,という具合です.(答えは『19』)
文章で書くとなにやらまどろっこしく分かりにくい感じですが,毎日練習していれば,じきにマスターすることができます.最初は計算の順番を一つ一つ追いながら①②③…とつけて計算するとよいですが,慣れてくればだんだんその必要もなくなってくるでしょう.
※このような普通の計算問題であれば順番を記入することなく計算することも容易ですが,逆算の場合はそうもゆかないことがあるのでその時は基本に戻ってしっかり計算の順番をつけましょう.