植木算の基本
「植木算」というのは,読んで字のごとく,植木の本数の問題なのですが,その際重要なのは「あいだの数」です.植木算そのものは計算問題程度の簡単なものなのですが,他の分野(数列とか仕事算など)に潜んでいることもあります.
ここではまず,植木算の基本次項を確認したいと思います.
植木算の最も簡単な例は次のような問題です.
植木算の知識がまったくなければ,次のように解答してしまうかもしれません.
50÷10=5 答:5本
これは間違いです.なぜ間違っているのかは図に描いてみるとよくわかります.
図より,10m間隔で木を植えると,木の本数は,6本です.
50÷10=5 で求めた「5」というのは『あいだの数』です(図を見ればわかるように,「10m」が5個できています).
木の本数はあいだの数より1つ多いので,答えは,5+1=6本となるのです.
※もし不安があれば,自分の手を見ながら指の本数とあいだの数を数えるとよいと思います.
植木算で確認しておきたい基本次項はもうひとつあります.次の問題を見てください.
これを問題1と同じように解くと,
50÷10=5 5+1=6 答:6本
となるように思うのですが,これは間違いです.
これも図に描いてみるとよくわかります.
図より,10m間隔で木を植えると,木の本数は,5本になります.
図を見ればわかるように,この場合,「あいだの数」と「木の本数」が同じになっています.
このように,円環(円とは限りません.1周ぐるりと回る図形ならすべて)の場合は,あいだの数と木の本数は等しくなります.
ですので,この問題の場合は,50÷10=5 答:5本 でよいのです.
純粋に「植木算」の問題は,以上の2つのパターンしかありません.しかし,実際の入試問題では例えば次のような形で出題されることがよくあります.
まず,注目したいのは「のりしろの数」です.
10枚貼り合わせるときの,のりしろは9個です.(←ここが植木算)
のりしろ1個につき2cm取られるので,のりしろ9個だと,2×9=18cm 短くなることがわかります.
のりしろがなければ,10×10=100cmとなるはずですが,のりしろに18cmとられているので,求める長さは,
100-18=82cm となります.
※これがもし,10枚を円環(輪っか)になるように貼り合せる問題だった場合は,上のように直線状に貼り合せるときにくらべ,のりしろがもうひとつ多くなるので,100-(2×10)=80cm となります.
(紙の枚数とのりしろの数が同じになることに注目)
植木算というのは,算数の分野の一種と言うよりは,むしろ『注意しなくてはいけない概念』のようなものです.
「木の本数とあいだの数の関係」は算数のいたるところで出現します.その際,もし判断に迷ったら簡単な図を描いてみるなど,確認を怠らないようにしましょう.