食塩水の移し替え1
ここでは様々ある食塩水の問題の中でも,出題頻度の高い「食塩水を移し替える」問題の解法を確認しましょう.
さっそく問題です.
何度も食塩水を移し替える問題では,その操作を図で描いてみると分かりやすくなります.具体的には次のような図を描きます.
このようにビーカーのような図を描いてみます.このとき,上から「食塩水」「濃度」「食塩」の順に数値を入れることが大切です.
なぜなら,食塩水×濃度=食塩なので,この順に数値を入れることで,計算がわかりやすくなるからです.
具体的に最初の状態を図に描いてみましょう.
Aの食塩の重さは200×0.2=40g,Bの食塩の重さは200×0.04=8gになります.
次にAからBに120g移すのでその様子を描いてみましょう.このとき注意したいのは,Bに移す120gの濃度は20%,残った80gも20%であるということです.食塩水の量が変わると濃度も変わると考えてしまう生徒も多いので,ここはよく確認しておきたいところです.「大きな樽に入った食塩水と,そこからコップですくった食塩水とではどっちがしょっぱい? 同じでしょ??」という具合です.
一方Bの食塩水はAの食塩水120gが加わることで濃度が変わります(AとBでは濃度が違うので当然です).このとき,
食塩水の量は,200+120=320g
食塩の量は,8+24=32g
となることが分かるので,この時点でBの濃度は,
32÷320×100=10%と計算できます.
次にBからAに移し替えます.
この操作も上の操作と同様に考えればOKです.
Bから取り出した120gの食塩水の濃度は10%です.
Aの食塩水はBの食塩水120gが加わることで濃度が変わります.このとき,
食塩水の量は,80+120=200g
食塩の量は,16+12=28g
となることが分かるので,最終的にAの濃度は,
28÷200×100=14%と計算できます.
いかがでしょうか.図に表すことで操作が分かりやすくなったと思います.図の描き方は必ずしもビーカーでなくてもよいですが,「食塩水」「濃度」「食塩」の3つの量の関係を分かりやすく(計算しやすく)表すことが大切です.