受験算数アーカイブス
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円周率を少し詳しく考える



図形の計算でおなじみの「円周率」.小学校では円周率を「3」あるいは「3.14」として計算しますが,そもそも円周率って何なのでしょう?どうやって求めるのでしょう? 今回はそんな「円周率」について少し詳しく考えてみることにします.



円周率とは


円周率とは数学における定数のひとつです.「π(パイ)」と表記します.その値は3.1415…と無限に続くのはよく知られている通りです.円周率とは「円の周の長さと直径の比」のことであり,要は「直径の■倍が円周の長さである.」と書いたときの「■」にあてはまる数が円周率になります.


例えば1/3という分数は小数にすると0.3333…と無限に続きます.1/7であれば0.1428571…と無限に続きますが,中学受験算数の問題にもよくあるように,分数を小数に直すときは必ず数字の表れ方に規則があります(これを循環小数と言います).しかし円周率にはそのような数字の表れ方に規則がまったくありません.数学上は「超越数」と呼ばれます.


※「超越数」とは正確には「代数方程式の解とならない複素数」のことです.



円周率の歴史


古代エジプトやバビロニア,インド,ギリシアの数学者は円周率が3より大きいことを既に知っていたといわれます.彼らは円の面積が「半径×半径×円周率」であることも知っていたようです.「アルキメデスの原理」で有名なアルキメデスも円周率の研究をしています.彼は円周率が223/71<π<22/7であることを発見しています.(小数で表すと3.14084・・・<π<3.14285・・・)

アルキメデスは戦争中も円の研究をしていましたが研究に夢中になるあまり,自分の研究の邪魔をしたローマの兵士を怒鳴りつけたことから殺されてしまったと伝えられています.



円周率の計算


円周率は実は計算式によって求めることができます.
ここではいくつか例を挙げてみましょう.代表的なのは次の式です.


【式その1】

上の計算を繰り返せば繰り返すほどその値は円周率に近づきます. この式は既にインドで14世紀には発見されていました.


【式その2】

このように掛け算で求めることもできます.これはウォリスの公式と呼ばれます.


【式その3】

これはオイラー(18世紀の数学者)のゼータ関数によって導かれる式です.


円周率を求める式には,上に挙げた例以外にも様々なものがあります.



円周率の出現


円周率を使う場面といえば「平面図形」の計算ですが,ここでは図形の計算以外で「円周率」が現れる場面を紹介してみたいと思います.


例えば「2つ自然数を取り出したとき,その2つの数の最大公約数が1である確からしさ」を計算すると実は「6/π2」になります.不思議なことですね.


他にも「長さ2cm間隔で何本も平行線を引いた平面の上に長さ1cmの針を落としたときに,針が平行線と交差する確からしさ」は「2/π」 となります.ここにもやはり円周率が出現します.


「円」や「図形」の範囲以外のも実は円周率が潜んでいることがある,ということはとても興味深いことです.



パソコンで円周率を計算する


円周率の計算は現代においてはコンピュータが利用されています.パソコンの計算能力を測定する際にも円周率の計算プログラムが用いられることがあります.
例えば,パソコンに100万桁の円周率の計算をさせて,答えが出るまでの時間が短ければ短いほど「高性能な」パソコンだというわけです.このプログラムは東京大学の金田研究室が開発した「スーパーπ」が有名です.
(参考:http://www1.coralnet.or.jp/kusuto/PI/ スーパーπの紹介ページ)



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